浄土真宗で大事なお経とは、
『大無量寿経(だいむりょうじゅきょう)』、『観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)』、『阿弥陀経(あみだきょう)』の3つです。
これを浄土三部経といいます。
浄土真宗ではこの3つのお経を大切にし、『般若心経』や『観音経』などを読んだり書写したりすることはありません。
浄土三部経には、阿弥陀仏のことが集中的に説かれています。
中でも親鸞聖人は、
「それ真実の教を顕さば、すなわち『大無量寿経』これなり」(教行信証)
とおっしゃり、真実の経(釈尊の本心が説かれている経典)は『大無量寿経』ただひとつであると断言されていますから、私たちは7000余巻の一切経の中で、『大無量寿経』を最も大切にいたします。
まず1つめ、『大無量寿経』は、略して「大経」ともいわれます。
釈迦はこの経の初めに、
「如来、世に出興する所以は道教を光闡し、群萌を拯い恵むに真実の利を以てせんと欲してなり」とおっしゃり、
「私がこの世に生まれ出た目的は、一切の人々を絶対の幸福に導く、この経を説くためであったのだ」
と宣言されています。
これを出世本懐経といいます。出世本懐経とは、真実の経と同じ意味で、釈尊の本心が説かれている経典ということですから、『大無量寿経』以外のすべての経典は、方便のお経であることがお分かりでしょう。
さらに『大無量寿経』の終わりには、
「当来の世に経道滅尽せんに、我慈悲を以て哀愍し、特にこの経を留めて止住すること百歳せんと、真実の経であることの、とどめを刺しておられます。
これは、
「やがて、『法華経』など一切の経典が滅尽する、末法・法滅の時機が到来するが、その時代になっても、この『大無量寿経』だけは永遠に残り、ますますすべての人々を絶対の幸福に導くであろう」ということです。
このようなことが説かれているのは、一切経多しといえども、阿弥陀仏の本願が説かれている『大無量寿経』以外にはありません。
二つめ、『観無量寿経』は、略して「観経」ともいわれます。
「王舎城の悲劇」で有名な、韋提希夫人へのご説法が記されています。
釈尊在世当時、マガダ国の王・ビンバシャラ王の妃・韋提希(イダイケ)夫人は、わが子・阿闍世(アジャセ)によって、七重の牢に閉じ込められます。
この時釈尊は、「このたびは特に大事な話をしよう」とおっしゃって、大衆を前に、霊鷲山で『法華経』の説法をしておられました。
しかし、牢獄で苦しむ韋提希夫人の救いを求める声に、『法華経』の説法を中断して、王宮に降臨され、弥陀の救いを説かれたのです。
これは、本師本仏の弥陀の本願こそ、釈迦一代の仏教の目的であることを示しています。
最後に阿弥陀経です。
『大無量寿経』を「大経」というのに対して、『阿弥陀経』を「小経」ともいわれます。
ここには阿弥陀仏と極楽浄土の様子が詳しく説かれています。
この経の眼目は、東西南北上下(六方)の大宇宙の諸仏方が異口同音に、「弥陀の本願まこと」を証明なされている「六方諸仏の証誠」にあります。
普通のお経は、だれかの質問に答えられる形で説かれていますが、『阿弥陀経』だけは「無問自説の経」といわれ、釈尊の問わず語りの説法なのです。
自ら説かずにいられなかったお気持ちの表れでしょう。
浄土真宗本願寺派
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