大阪府羽曳野市の西向寺は420年以上の歴史を誇る浄土真宗本願寺派の寺院です。

住職ブログ

生きることとは別れること〜浄土真宗の葬儀〜


人生は出会いの連続、と聞けば、希望広がる未来に心弾む思いが致します。

しかし「会うは別れのはじめ」とも言われます。生きることは別れること、ともいえるでしょう。

人生行路を歩むにつれ、心にしみてくる現実です。その受け止め方も、相手や別れ方で違います。とりわけ大恩ある両親、愛する夫や妻、子供、兄弟姉妹、親友……それらの人々との永遠の別れに抱く感情はひととおりではありません。

そのような経験がなくても、描いたドラマや小説などから「いつか皆と別れるのだな」と感じたことが、だれにも一度ならずあるでしょう。

映画にもなった小説『魂萌え!』(桐野夏生著)は、ある日突然、夫を亡くした還暦前の敏子が主人公。信じられぬ主人の死に、彼女の感懐をこう描いています。

 
敏子は、そうだった、夫は死んだのだ、とまた改めて思い起こし、こんな思いをこの先何度するのだろうかと果てしなく続く時間を重荷に感じたのだった。

平凡な主婦、敏子が、伴侶の死に惑い、翻弄され、変化していく物語は、特に同世代の読者の共感を呼びました。

男性の視点もあります。平成19年3月に亡くなった作家・城山三郎さんは、遺著『そうか、もう君はいないのか』で、先に逝った妻・容子さんとの離別を、こうつづっています。

 あっという間の別れ、という感じが強い。
 癌と分かってから4ヶ月、入院してから2ヶ月と少し。
 4歳年上の夫としては、まさか容子が先に逝くなどとは、思いもしなかった。
 もちろん、容子の 死を受け入れるしかない、とは思うものの、彼女はもういないのかと、ときおり不思議な気分に襲われる。容子がいなくなってしまった状態に、私はうまく慣れ ることができない。ふと、容子に話しかけようとして、われに返り、「そうか、もう君はいないのか」と、なおも容子に話しかけようとする。

かけがえのない相手との別れを受け入れられない、もどかしさが伝わってきます。

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お久しぶりです。


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寺院概要

寺院名

浄土真宗本願寺派
 西照山 西向寺

所在地

〒583-0846 大阪府羽曳野市東阪田245

連絡先

TEL&FAX:072-956-0063

住職

13代目 西林 広順(にしばやし こうじゅん)

開創

文禄3年(1594年)

交通アクセス

<電車の場合>

近鉄南大阪線(長野線)
喜志駅下車徒歩約15分(タクシー約5分)


<お車の場合>

南阪奈道、羽曳野ICより旧170号南へ約5分 西名阪道、藤井寺ICより170号南へ約15分


マップ

※本堂内に椅子、冷暖房、駐車場(約6台駐車可)完備。

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