人生は出会いの連続、と聞けば、希望広がる未来に心弾む思いが致します。
しかし「会うは別れのはじめ」とも言われます。生きることは別れること、ともいえるでしょう。
人生行路を歩むにつれ、心にしみてくる現実です。その受け止め方も、相手や別れ方で違います。とりわけ大恩ある両親、愛する夫や妻、子供、兄弟姉妹、親友……それらの人々との永遠の別れに抱く感情はひととおりではありません。
そのような経験がなくても、描いたドラマや小説などから「いつか皆と別れるのだな」と感じたことが、だれにも一度ならずあるでしょう。
映画にもなった小説『魂萌え!』(桐野夏生著)は、ある日突然、夫を亡くした還暦前の敏子が主人公。信じられぬ主人の死に、彼女の感懐をこう描いています。
敏子は、そうだった、夫は死んだのだ、とまた改めて思い起こし、こんな思いをこの先何度するのだろうかと果てしなく続く時間を重荷に感じたのだった。
平凡な主婦、敏子が、伴侶の死に惑い、翻弄され、変化していく物語は、特に同世代の読者の共感を呼びました。
男性の視点もあります。平成19年3月に亡くなった作家・城山三郎さんは、遺著『そうか、もう君はいないのか』で、先に逝った妻・容子さんとの離別を、こうつづっています。
あっという間の別れ、という感じが強い。
癌と分かってから4ヶ月、入院してから2ヶ月と少し。
4歳年上の夫としては、まさか容子が先に逝くなどとは、思いもしなかった。
もちろん、容子の 死を受け入れるしかない、とは思うものの、彼女はもういないのかと、ときおり不思議な気分に襲われる。容子がいなくなってしまった状態に、私はうまく慣れ ることができない。ふと、容子に話しかけようとして、われに返り、「そうか、もう君はいないのか」と、なおも容子に話しかけようとする。
かけがえのない相手との別れを受け入れられない、もどかしさが伝わってきます。
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