大阪府羽曳野市の西向寺は420年以上の歴史を誇る浄土真宗本願寺派の寺院です。

住職ブログ

お釈迦様のエピソード〜布施はした者が幸せになる


ある時、お釈迦様が弟子たちと托鉢に出かけられました。

しばらくして行く手が二股に分かれていましたが、お釈迦様が右に歩まれるとお弟子の一人が言いました。

「お釈迦様、失礼ですが、道を間違われたのではないでしょうか?
 この道は、大変貧しい人の住む部落に向かいます。
 最近の飢饉で餓死する者まで出ているところです。
 そんな村に托鉢に行かれても布施する人はいないでしょう。
 反対の道ならば、大地主や大商人たちの住む町ですから、布施する人も多くありましょう」

するとお釈迦様は仰いました。

「道を間違えてはいない。
 この道が、貧しい村に通づることは知っている。
 布施は貧しい者ほどしなければならないのだ。
 彼らが現在、餓死するほどに貧しいのは、過去世で欲深く、布施の功徳を積まなかったからである。
 布施を励んだ人は、恵まれた家に生まれ、施しをしなかった人は貧しいところに生を受ける。
 彼らは自らの報いを受けているのだ。
 貧しい中から、米一粒でも布施をして、功徳を積むならば、それにより、彼らは今の苦しい状態から、抜け出せる。
 長者の万灯よりも貧者の一灯、布施の尊さは量にはよらない。
 貧しさに苦しんでいる人ほど布施をしなければならないのだ」

弟子たちは深く頷きました。

お釈迦様は十数日にわたり、その村に滞在され、村人からのわずかな布施の米粒で粥を作られ、弟子たちと分け合ってすすりながら法を説かれたのでした。

お釈迦様の大慈悲に、村人たちは次第に仏法に耳を傾け、ついには多くが仏教信者となったといいます。

何かを施してもらうための托鉢であれば、お釈迦様は富豪の町に行けば良かったはずです。しかし、施しという幸せの種まきは、蒔いた本人にしか幸福という結果は返ってきませんから、貧しさで苦しむその人自身が、自ら種を蒔かねばなりません。

また、いくらお金を持っていても、施す機会に恵まれなければ、種まきはできません。

善い種を蒔いて、善い結果が現れるのは、蒔いた本人です。
自業自得という言葉は、誰もが知っている仏教の言葉ですが、「業」とは「行為」の意味で、自らの行為の結果を自らが得るということです。
一般には、悪いことだけに用いられますが、仏教の教えから言えば、善いのも悪いのも自業自得です。

ふだん、仏法を聞かせていただく機会のない皆さんは、葬式や法事を御縁として仏教を聞かせていただき、自分の人生を深く見つめることが大切です。

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寺院概要

寺院名

浄土真宗本願寺派
 西照山 西向寺

所在地

〒583-0846 大阪府羽曳野市東阪田245

連絡先

TEL&FAX:072-956-0063

住職

13代目 西林 広順(にしばやし こうじゅん)

開創

文禄3年(1594年)

交通アクセス

<電車の場合>

近鉄南大阪線(長野線)
喜志駅下車徒歩約15分(タクシー約5分)


<お車の場合>

南阪奈道、羽曳野ICより旧170号南へ約5分 西名阪道、藤井寺ICより170号南へ約15分


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