布施は幸せの種まき
仏法には、「人間に生まれて本当によかった」と心からいえる幸せと、その幸せになれる道が教えられています。
私たちは、朝から晩まで働き、お金を得て生計を立てていますが、働いて収入を得て、生きてさえいれば幸せかというと、そうではありません。
お金があれば幸せのように思いますが、お金があっても苦しみ悩みはなくなりません。お金は、あくまでも生きる手段であって、幸福そのものではないのです。
では、何が本当の幸せか?
どうすれば本当の幸福になれるのか?
誰もが知りたいこの疑問にハッキリと答えられた方が、仏教を説かれたお釈迦様です。
そのお釈迦様の教えを伝えるのが僧侶の本来の仕事なのです。
葬式や法事は、亡くなった方の供養をするために勤めるものではなく、亡くなられた方を御縁として無常を見つめ、生きている私たちが仏の教えを聞かせていただくための御縁です。
尊い仏法を聞かせていただいたお礼の気持ちで出させていただくのが布施ですから、強制されるものでもなければ、料金でもありません。
「こんな素晴らしい教えを聞かせていただいて、本当に有り難い」と1000万円出された方があっても、多すぎるということはありませんし、10円を出して少なすぎるということもないのです。
仏法を聞かせていただいて、教えを受けた方が、その気持ちから出すものがお布施です。1円の人は1円分の法を聞いてゆきます。一日、仏法を聞いて1円の人は1円分、1000円の人は1000円分、1万円の人は1万円分、仏法を受け取ってゆくのです。
「話は聞いたが、お金を出さなくてもいいなら、出さないほうが得だ」
というのは、お気の毒ですが、一日時間を使って何も持って帰らなかった方です。
布施は、した人が幸せになれるのです。
このことがよく分かるお釈迦様のエピソードを聞いてみましょう。
浄土真宗本願寺派
西照山 西向寺
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13代目 西林 広順(にしばやし こうじゅん)
文禄3年(1594年)
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